金型で使われるヒーターについて
目次
1、金型で使われるヒーターの種類
①シーズヒーター
②カートリッジヒーター
③プレートヒーター
④フレキシブルヒーター
1、金型で使われるヒーターの種類
・電気を用いたヒーターで、ニクロム線に電気が流れると発熱する仕組みです。
・温度が高い為、ステンレスタイプが主流です。
・規格品の販売もあるが、基本特注品になります。
・日本では基本200Vまたは100V用の仕様に成るが、海外ではその限りではない。
①シーズヒーター
金属パイプの中をニクロム線が通って両端に端子がある構造です。
丸い貫通穴に取りつけられることが多いが、曲がったパイプで作ることにより局面に添わせる事もある。
穴に挿入する場合は、片方から叩いて取り外せるため、取外し性能が良い。
金型のヒーターとしては1番多く使われています。
②カートリッジヒーター
金属パイプの中をニクロム線が通って片端に端子がある構造です。
丸い止まり穴に取りつけられることが多い。
穴に取りつけの場合は引っ張って取り外すため、取外し性能が悪い。
金型構造的に貫通穴が不可の場合に使われます。
③プレートヒーター
金属プレートの中をニクロム線が通っている構造です。
プレートなので金型の側面など、平面部に取りつける。
片面しか加熱物に接しない為、効率が悪い。
側面に取りつけるため、取外し性能が良い。
補助的に必要な場合にのみ使用しています。
④フレキシブルヒーター
シーズ・カートリッジ・プレートのそれぞれのヒーターを、柔軟な素材で作られたヒーターです。
部品に添わせたい場合に使用できます。
2、ヒーターのメリット
①バーナーに比べ、温度の管理が容易になります。
②バランスよくヒーターを設置することで、温度にむらが出来ないようにコントロールできます。
③「CO2削減」「脱炭素化」「SDGs」などなど、近年の多くの対策に貢献できます。
④生産条件さえ確立してしまえば、生産の安定化が見込め、生産管理が容易になります。
3、ヒーターのデメリット
①電気工事士・電気工事施工管理技士 等の電気系資格が必要な場合があります。
②製品の形状が複雑な場合、バランスよくヒーターが配置できないことがあります。
③仕様温度の限界値。ヒーターでの昇温温度は一般的に300°前後になります。
④金型の複雑化と共にリードタイム長期化、ヒーターや配線部品などもあり、コストアップ要因になります。
⑤漏電に注意の他、ヒーター交換に苦労するお客様も多いようで、メンテナンス性に欠ける印象です。
⑥ヒーター化することで、製品形状の大幅な変更が出来なくなる場合があります。
4、金型でのヒーター選定・設計手順
①金型構造・製品形状を踏まえ、ヒーターを配置できる範囲を設定し、シーズ・またはカートリッジヒーターを配置を検討する。
②工場電源が一般的な200Vなのか、または100Vなのかを確認する。
③工場電源が3芯電源なのか、または2芯電源なのかを確認する。
④結線方法を確認する。
⑤3芯電源の場合は、デルタ結線かスター結線か確認する。
⑥2芯電源の場合は、直列か並列かを確認する。
⑦金型に必要な昇温条件を元に熱量を計算し、ヒーターの容量を算出する。
⑧ヒーター容量から、ヒーターの大きさ、長さを選定する。
⑨結線方法に合わせ、ヒーターのバランスが良くなる本数、容量へ振り分ける。
当社では、ヒーター加熱方式において、数多くに型製作実績が御座います。
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「金型の昇温とは?金型の加熱方法について」のコラムはこちら!
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